独立起業と独立開業成功の鉄則
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起業独立・起業開業失敗の原因その4 士業に教えを請う。 日本では法人設立の手続きが煩雑なので法人設立時の事務手続きは行政書士、司法書士さんに手続きの代行を依頼することが多くなります。そして、法人登記後にそのままこれら「士業」の方に経営アドバイスを受ける方が多くいらっしゃいます。また、日本の場合、税務書類作成も専門知識が必要なため、会社の売上げが順調に推移してある程度の売上げ規模になると、地元の税理士さんと契約して毎月の帳簿や税務書類の作成を依頼することになります。そして月に一度は税理士さんと顔を合わせることになりますが、ここでも多くの経営者が税理士さんからもっともらしい経営指導を受けます。 また、巷の多くの「起業独立」セミナーでは講師を務める人の多くは行政書士、司法書士、税理士、会計士、中小企業診断士といった「士業」の方です。特に自治体や公的機関が主催する「起業独立セミナー」や「独立相談」「経営相談」といったセミナーではほとんどの場合、講師は「士業」の方です。しかし、行政書士は「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。」(行政書士法)人であり、司法書士は「登記又は供託に関する手続について代理すること。 裁判所、検察庁または法務局若くは地方法務局に提出する書類を作成すること。 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について 代理すること。」(司法書士法)を業とする人であり、税理士は「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命」(税理士法)とし納税者の求めに応じて、「税金」について、税務代理、税務書類の作成、税務相談の税理士業務並びに会計業務を行なう人です。社会保険労務士は労働社会保険関係の法令に精通し、適切な労務管理その他労働社会保険に関する指導を行い得る専門家です。中小企業診断士は、企業を調査・分析・診断・助言するカウンセラーです。「日本マンパワー」や「大原学園」で学んで「試験に合格するとなれる」のです。 つまり「士業」の方たちは「経営者として優秀」だから「士業」になるのではありません。経営者の経験が無くて、実際に儲けたことが無くても「試験に受かれば」誰でもなれるのです。 つまり「士業」の方たちは法律に基づき正しい書類作成、事務処理、カウンセリングを行なう専門家であり、経営のプロではありません。彼らは社会的、法的な書類作成や手続き、または労務管理の専門職です。ところが起業家セミナーで講師を務める人の多くが「士業」の方です。 もちろん「士業」の方の中にも経営のプロがいるかもしれませんが、基本的には彼らは代書屋さん、事務屋さんです。経験上、「士業」の方の中で経営戦略やマーケティング戦術のノウハウを持つ方は極めて少数派です。経営、マーケティングセミナーに参加すると「士業」の方も多く参加しています。「士業資格」と「経営」「儲け」は全く関係ありません。 また、ある経営セミナーに参加した際に「日本の士業の平均月収は20万円で、士業を営みながら従業員を雇える経営者は一握りしかいない。」という話を聞きました。これを裏付けるデータはありませんが、もしそうであれば多くの起業志望者や経営者はセミナーや著作物を通して「社員も雇えず、給与が会社員並の先生」に頭を下げて経営指導を受けていることになります。 何事においても「先生」や「師匠」を間違えると、欲しい結果は手に入りません。 |
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