独立起業と独立開業成功の鉄則
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起業独立・起業開業失敗の原因その7 「何を学ぶべきか」を理解していない 私自身、会社員のころから自己啓発書や自分の仕事関係の書籍には良く目を通していましたし、人より勉強家だと思っています。でも、今だから理解できますが、「会社員としての学ぶべき知識」と「経営者、起業家としての学ぶべき知識」は全く異なります。「どれほど学ぶか」も大切ですが、「何を学ぶか」はもっと大切です。会社員としては広く浅く「どれほど学ぶか」は武器になりますが、経営者や起業家として成功するにはまず最初に「何を学ぶか」を慎重に選択した後に、「深く学ぶ」必要があります。 ゴルフでもスキーでも、英会話でも、車の運転でも、将棋でも、囲碁でも同じですが、上手くなるには「何を学ぶか」が重要なのです。ゴルフがうまくなりたい時に「一生懸命ゴルフクラブの歴史や知識を学ぶ」ことはないはずです。車の運転が上手くなりたい人が「一生懸命にエンジンの仕組みを学ぶ」ことや、「車の領収書の保存の仕方を学ぶ」ことはないはずです。 それなのに起業独立志望者の多くは「法人化するための事務手続きの方法」「社会保険事務所へ提出する書類の書き方」「経営理念の書き方」「就業規則の作り方」「法人と個人事業主のメリット、デメリット」「オフィスの借り方」「帳簿のつけ方」「会計ソフトの使い方」「融資のコツ」「雇用保険について」「税金の種類」等を一生懸命に学びます。しかし、これらは何度もいうようにビジネスで利益をもたらす要因ではありません。単なる業務知識です。 自治体や士業主催のセミナー、ホームページ、書籍はほとんどが「業務知識」の解説です。これらをどんなに吸収しても稼ぐことはできません。ゴルフ(経営)が上手くなりたいのに「ゴルフクラブの作り方(法人設立の方法)」や「ゴルフクラブを綺麗に箱詰する方法(経営理念、就業規則、オフィス契約)」や「ゴルフクラブを作るときのお金の借り方(銀行との付き合い方)」や「ゴルフクラブの伝票の書き方(帳簿)」を一生懸命に学んでいるだけです。 もし、あなたがこれらのセミナーに行こうと考えているのなら私が20秒でその要点をお教えします。 『「法人化するための事務手続きの方法」はビジネスが軌道に乗って儲かって利益が出てから考えることです。利益が出たら士業の方にお願いしてやってもらえばよいのです。「社会保険事務所へ提出する書類の書き方」も同じです。「経営理念の書き方」が利益を作ることはありません。「就業規則」は市販の規則集に加筆修正すれば十分です。正社員が採用できるようになってからオリジナルのものを作っても十分に間に合います。「法人と個人事業主」はどちらでもいいのです。年間経常利益で2000万円を超えるようにならないと法人化しても大きなメリットはありません。資金が無ければ「オフィス」は不要なのです。資金がないのにオフィスが必要な事業計画を立てること自体が経営者として間違っています。「帳簿のつけ方」「会計ソフトの使い方」「融資のコツ」は毎月1万円〜3万円で地元の税理士がやってくれます。エクセルで売上げと仕入れデータを入力して、領収書を日付ごとにノートに貼って年度末に商工会議所に行けば、法人としての必要書類の書き方は数千円で教えてくれます。その費用も捻出できないような経営者は事業をしてはいけないのです。「雇用保険」は利益が出て社員やパートを雇えるようになってからのことです。最初は1人または家族を役員にして事業を行なうべきです。それなら雇用保険は関係ありません。まだ利益も出ていないのに「税金の種類」や「法人税の算出基準」を覚えるのは全く無意味です。』 以上です。 これらをどんなに一生懸命に学んでも、経営が上手くなることはありません。だから独立して何年経っても利益を生み出すことはできないのです。次の章で詳しく説明しますが、ビジネスで利益を生み出す根本は全く別のものです。 原因その7 「プロにまかせるよ!」と広告宣伝を制作会社や印刷会社に丸投げする 私は20代のころ都内の中堅広告代理店で営業を行なっていました。大手GMSから中堅の旅行会社、老舗の高級料亭を担当していました。その当時クライアント(お客さん)からよく言われた言葉が「デザインや広告のことは良く分からないからプロに任せるよ。」というものです。 正直に言いますが私は広告代理店に勤務しながら広告、デザイン、PR、販促、コピーライティング、撮影に関しての書籍はただの一冊も読んだことがありません。でもお客さんの目から見ると広告代理店の営業マンや制作会社のデザイナー」やコピーライターは「広告のプロ」なのです。 だから私はプロとしてお客さんにこう言ってアドバイスしていました。 「今時、大量の文字なんかで説明しても誰も読みませんよ。だからモデルを使って撮影した方がいいんです。沖縄で撮影しませんか?商品イメージもピッタリだし!」「広告は何度も繰り返し行なわないと効果が出ません。来月も出稿しましょう。」「その部数では割高なのでもっと折り込みエリアを広げましょう。印刷も最低でも10万部は印刷しないとコスト高ですよ。」 上記はすべて良く考えれば分かりますが、「お客さんの見込み客を増やしたり、問合わせや商品の申し込みを増やすためのアドバイス」ではありません。私の売上げを増やすためのアドバイスです。 本当の話ですが予算500万円かけて問合わせが2件というポスターを作ったこともあります。それでも、ほとんどのお客さんは「デザインや広告のことは良く分からないからプロに任せるよ。」といい続けます。 私は独立後、自分で広告の制作会社を立ち上げて制作ディレクターとしてデザイナーやコピーライター、カメラマンを取りまとめてポスターや折り込みチラシ、新聞広告、カタログ、DM、会社案内、ビデオを作っていました。これも正直に言いますが制作会社のディレクターやデザイナー、コピーライター、カメラマンはキレイな広告宣伝物やイメージの良い作品は作れますが、客を呼べるものはほとんど作れません。これも当たり前ですがディレクターやデザイナー、コピーライター、カメラマンは経営なんてしたことが無いのです。だから集客に必要なマーケティング知識や人を動かす広告文章の書き方やテクニックを知っている人はほとんどいません。 彼らが理解しているのはマーケティングや効果的な広告宣伝ノウハウではなく、キレイで丁寧で斬新なデザイン・レイアウト・版下(今はデータ)作成の技能です。 彼らはデザイン・レイアウトのプロではあるかもしれませんが、集客・経営のプロではありません。 小さな会社や小さなお店は人件費という固定費を投入しながら営業部隊を組織して見込み客にアプローチすることが出来ません。通常は固定費ではなく変動費である広告宣伝によって見込み客へアプローチを行い、自分の会社やお店への集客や問合わせ、申し込みを実現します。この延長線上に売上げが生まれることになります。 従って大きな会社以上に、小さな会社やお店にとって広告宣伝は経営の命綱になります。この命綱を経営制限の潤沢な大企業と同様に「デザインや広告のことは良く分からないからプロに任せるよ。」と言って自分の手から離しては絶対に会社やお店の収益力を高めることは出来ません。 小さな会社やお店の広告宣伝は経営者であるあなたが文章を考え、構成を考え、訴求方法を構築すべきです。 |
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