独立起業と独立開業成功の鉄則
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起業について 起業してから気がつくことの一つ目は「自分一人で営業、総務、経理、人事、労務、広告、販促、研究開発、製造を全部やらなきゃならないんだ!」ということです。会社は営業の仕事だけでは成り立ちません。営業、総務、経理、人事、労務、広告、販促、研究開発、製造といった部署が当然存在し、それぞれで多くの人が働いて給与をもらっています。 起業すると誰も机の用意なんかしてくれませんし、社会保険事務所、税務署、役場へ提出する毎月の書類を自分に変わって作る人もいませんし、無数に存在する広告媒体から限られた資金を投入すべき効果的な媒体を選ぶのも誰もやってくれませんし、キャッチコピーや文面やデザインは自分で指示して打ち合わせしなくてはなりませんし、電話もいけなきゃならないし、メールの返事も書いておかないといけないし、企画書も書かなきゃいけないし、打ち合わせもしなきゃならないし、接待もしなきゃならないし、掃除もしなくちゃ、商品はどうするんだ、支払いはいつ、誰が計算するんだ、スタッフとの打ち合わせの時間はどこで取るのか、飯は食えないし、勉強もしないとクライアントと話も通じないし、備品がなくなったから買わないといけないけど時間がないし、クレーム処理もしないといけないし、お客さんから仕事が入ったから受けないといけないけど時間がないぞ、スタッフも連絡がつかないし、入金は遅れてるからクライアントの経理に催促しないといけないし、今月の請求書はどれとどれを出すのだったかな、まだ計算してないぞ、決算書は誰が作るんだ、税金と簿記の知識も必要だ、資金繰りも考えないと金がショートしちゃうし、手形は割らないと金がなくなる、都市銀行は相手にしてくれないし、信金に提出する書類は誰が作るんだ、これじゃ身体が持たない・・・ことが分かります。 起業すると会社員の時には自分以外の「誰か」が上記を全部やってくれていたことに気がつきます。起業後は全てをひとりでコントロールしなくてはいけません。起業家は毎日「売上げに結びつく行動だけ」をしていられれば楽なのですが、それは出来ないことにすぐ気がつきます。仕事ではなく「業務」が大量に発生してきます。だから「業務時間」「仕事時間」「未来への投資時間」で休む暇はなくなります。だから起業家は数年して倒れて入院します。 しかも何回も。私も***のおじさんもそうですよね。(注:私も親戚の中に存在する中小企業の経営者も何度か入院経験があることをここで書いています。) 日常は「業務」をこなすことに時間を取られ、生産性が下がり、身体能力も下がり、知識の積み上げもできませんので、儲かるはずがありません。最悪なのは「業務」を仕事と勘違いするようになることです。これで給与がもらえるのは会社員だけです。(景気上昇期は別です。景気上昇期はサルが経営して、業務だけこなしてても儲かります。) 米国のコンサルタント・マイケル・E・バーガーがかいていますが「起業して1年目に40%、5年後には80%が姿を消している。その後の5年で残りの80%も姿を消す。」という統計があります。日本ではもう少し緩いデータがでていますが、私の周りの中小零細社長を見てもこのデータは大げさではないと思います。 また、ニッセイ基礎研の「増加する中高年創業の特徴と経済的意義」というレポートには創業者の所得について次のような記述があります。「自営業者では年収100万円未満が全体の28%、200万円未満が46%となっている。・・・・(中略)・・・・・自営業者となっても、高所得が得られる可能性は非自営業者と変わらず、しかもその可能性が小さくなっているのに対し、低所得となる可能性は大変おおきいということを示している。」 また、労働時間と収入に関しては「自営業者となることは、長時間労働を強いられるにもかかわらず、収入面での見返りはあまり期待できないという割りに合わない職業となっているのである。」とレポートされています。 国民生活金融公庫総合研究所の新規開業白書では99年から2001年までの開業率は3.1%で廃業率は4.5%となっています。どんどん儲からずに潰れるということです。 創業者の意識調査をしたデータでは「儲からないし、会社員の時の方が良かったと思うけど、やりがいはある。」という答えが最も多いんです。 これはね「私は起業しました。朝から晩まで死ぬほど働いても、会社員時代の何分の一しか収入がないです。でもそれを考えると自分の存在意義や選択が間違っていたことを認めることになるので、今は【やりがいがあります】っていう部分にしか精神的なよりどころが無いんです。これが無いと自分のいきている意味が見出せないんです。」という心が表面化しているだけです。 これが現実なんです。起業した人はほとんど儲かりも、自由にもなってはいません。東京にいた頃私の知人は起業家やフリーランスが多かったですが、ほとんどの人は死ぬほど仕事しているけど儲からない人か、何もできず座して死を待つような人ばかりでした。今は死んでいる人が多いです。皆、50歳近くになっていますが、肉体労働に回ってます。 株式投資でも不動産投資でも起業でもスポットが当たり、マスコミに出るのは成功者です。当たり前ですね。失敗者を登場させても意味が無いですから。でもそれを見て「自分にもできるんじゃないか。」と思って、「考え」たり、「準備」したり、「学んだり」する前に行動する人が多いんです。 昨日から話しているように、「どの分野」でも「何をする」にしても成功するのは100人いたら1、2人だけです。(数年程度の短期的な成功は別です。景気が良くて、運がよければそれくらいの期間は成功します。でも30歳で起業して、数年上手くいって、その後数年かけて倒産した場合、経営者は35〜40歳になりますから、その時点では就職は出来ません。やり続けるか、ドロップアウトするしかないです。) |
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