独立起業と独立開業成功の鉄則
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起業独立・起業開業の成功のポイント 経営戦略の理解 経営で「最大のアウトプット(結果)」を実現するためには「経営戦略」が必要です。ビジネスでは短期的な利益は運や偶然でも発生しますが、長期にわたる継続的な利益を発生させるには運や偶然ではなく経営上の「戦略」が必要になります。 戦略というとつかみ所がないような感じがする方もいらっしゃるかもしれませんが、次のことを考えてみてください。 私が受ける起業志望者の方からの質問で次のようなものがあります。「どんな商品を扱えば儲かるでしょうか?」「花屋を始めたいのですが大丈夫でしょうか?」「飲食店を始めたいのですが成功するでしょうか?」と。 ここで大切なことを言います。花屋をやるから儲かるのではありません。輸入雑貨ショップをやるから儲かるのではありません。レストランをやるので儲かるのではありません。ダイエット食品を扱うので儲かるのではありません。インターネットショップをやるから儲かるのではありません。花屋にも儲かっているお店と、儲かっていないお店があります。輸入雑貨ショップにも儲かっているお店と、儲かっていないお店があります。レストランにも儲かっているお店と、儲かっていないお店があります。ダイエット食品を扱っていても儲かっている会社と、儲かっていない会社があります。インターネットショップにも儲かっているショップと、儲かっていないショップがあります。あなたがどの商品、どのサービスを選んでビジネスを行なおうが、その業種では必ず「儲かっているお店(会社)」と「儲かっていないお店(会社)」があります。 だから、何を扱うか、何をするかは起業の成功にはあまり関係ない、ということです。 花屋を「上手に経営する」から、結果として儲かるだけです。輸入雑貨ショップを「上手に経営する」から、結果として儲かるだけです。レストランもダイエット食品も、インターネットショップも上手に経営するから儲かるのです。つまり、「何を」ではなく、「どう運営するか」が重要なのです。このどうするかに相当する部分が経営では「経営戦略」になります。 そのため「起業したいのですが何をしたら良いでしょうか?」という質問に対する答えは「あなたの能力のあることをやるのが良い。」ということになり、「但し、どう運営するか(経営戦略)については良く考える必要がある。」ということになります。 では、もう少し具体的に経営戦略について説明しましょう。ほとんどの経営者は儲けようと思ってはいますが、本書の冒頭で解説したとおり大半の会社は儲けを継続的に出せずに、起業家のほとんどは生き残れません。ビジネスでは「儲かる」というのは「結果」です。「結果」には「原因」があるはずです。利益を出すための「原因」とは何でしょう。これについて考えるためにはマーケティング関連の本に必ず紹介される「20:80の法則」を理解する必要があります。 いわゆる「パレートの法則」です。 「パレートの法則」をご存知でない方のために簡単にご説明すると「パレートの法則(20:80の法則)」とは「会社の売上げの80%を、上位20%の社員が売り上げている。」とか「上得意客の20%がお店の売上げの80%をもたらす。」「本当に重要な20%の事柄に集中すれば、結果の80%が手に入る。」といった法則です。これを会社が儲かるか儲からないかという現象に当てはめて考えた時には下記のようになります。ある業界に企業が100社あったとして、業界全体の市場規模を金額に換算した場合に100万円だとしましょう。ここにパレートの法則を当てはめると下図のようになります。 市場規模100万円の市場に100社の企業が存在した場合、上位20社の企業が売上げの80%=80万円を手に入れます。さらにこの80万円を細かく見ると、この80万円のうちの80%に相当する64万円を上位20社の中でさらに上位にランクされる20%=4社で手に入れていることになります。 上図の一番右を見ると、上位4社で市場規模の64パーセントにあたる64万円を押さえ、残りの36パーセントにあたる36万円を96社で競争して奪い合っていることになります。96社で36万円を分け合っているのです。これでは競争が激しいため忙しくなりますが、1社当たり3,750円しか手に入らないことになります。これではほとんどの企業が儲かるはずがありません。 つまり理論的にはあるマーケットでは、上位4社以外の企業では理論的には「ほとんど儲からない」ということです。 一般的には市場規模が大きいほど儲かりそうに思えます。そのため起業セミナーに参加したり、起業関連書籍を読むと「大きな市場を狙え!」と言われます。それを真に受けてほとんどの起業家は大きなマーケットへ参入します。大きな需要のある商材を扱おうとしたり、大きなマーケットをターゲットにしたビジネスを展開しようとしたりします。また、大手企業が運営するフランチャイズの説明会に参加すると「大きな市場ですから将来性があります。」と説明を受け、その気になります。でも、上述したパレートの法則からも分かるように、自社が狙うマーケットで上位4社以外はほとんど利益は出ません。「働けど働けど我が暮し楽にならず・・。」状態です。これが大半の会社が儲けを継続的に出せない大きな原因の一つです。だから、独立後の経営者を追いかけたレポートでは「独立後は会社員時代より長時間労働になるが、収入は減る傾向がある。」と報告されているのです。 あなたは一日中忙しく身を粉にして働くために起業するのではないと思います。逆に、今より自由な時間と多くの収入と充実感を得るために起業するのだと思います。でも、独立した人の多くは「働けど働けど我が暮し楽にならず・・。」状態にいるのが現実なのです。 「俺は大きな組織を創り上げる。」「会社を上場させる。」ということを求める場合には別ですが、中高年が「時間的な自由」と「経済的な豊かさ」を求めて起業する場合には「大きな市場を狙う」より、「自社(自分)の能力で勝てるマーケット=上位4社になれるマーケットを探す」ことの方が理にかなっていることになります。(だから、小さく起業してちゃんと儲けようと思うなら、自分の能力や才能を理解することが必要なのです。) こういった思考で「ビジネスという戦場」で自軍(自社)の規模、資源を使って効果的にライバル(競合)に勝ち、戦利品(利益)を手に入れ、領土(シェア)を広げることが出来るように、勝てる戦い方(経営)を構築したり、対戦相手との力関係を見極めて戦(経営)の本質を見抜くことが大将(経営者)の仕事=「経営戦略」なのです。そのため「小さく起業」して「ちゃんと儲けよう」と思うなら、起業セミナーや起業本に書かれているような「大企業向けの一般論に則った経営戦略」ではいつまでも儲けることはできません。成功しよう、儲けようと思うなら「小さな企業」が「大きな企業」に勝てる経営戦略を頭を使って考え、視点を変えて考える必要があります。小さな会社(小さな起業)で成功するにはノウハウやテクニック、資格、商品よりも、こういった 「戦略」が重要になるのです。 ビジネスでは「とにかく前に進む!」「数打ちゃ当たる!」「とりあえずやってみる。」といった考えで成功することはほとんどありません。あなたも起業独立に際しては「経営資源が限られた小さな企業」が勝つための「経営戦略」をしっかりと構築してください。 |
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