◆茨城大好き社長
「はとみで〜す!!」
受話器の向こうから大〜〜〜〜〜きな声が聞こえてきた。
その声の主はこのメルマガにも何度か登場して頂いている茨城県下でアパレル専門店を展開する羽富社長。
「酒井さ〜ん、うへへ、良いこと発見しましたよ〜!!」
だいたい、羽富社長の言う「良いこと」は本当に良いことである。
(私)「うへへ、羽富社長、なに、なに?」
(羽)「酒井さ〜ん、店内に行政スペースを設けるんですよ〜っ!」
(私)「なにそれ〜・・・。もっと詳しく教えて〜。。。」
・・・以下、羽富社長から伺った「の三方良しの商売のススメ」です。
羽富社長は県内の行政機関に連絡をしてパンフレットを送ってもらうのだそうだ。
ご存知のとおり行政機関で発行しているパンフレットには県内の観光名所のパンフレット、特産品のパンフレット等その県をPRする多くの種類がある。
「店内に陳列して茨城をPRしたいので送ってください」
とお願いすると、たいそう喜ばれるらしい。それらを入手して実際に店内で陳列する。
さらに地元の手芸家、写真家、画家等の作品や地元の名物商品を一同に展示して「茨城コーナー」を設けるのだ。
羽富社長のお店は婦人服専門店です。観光とは関係ない。
では、なぜそんなことをするのか?
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「茨城が好きだから」
羽富社長は本当に茨城を愛している。茨城が好きで好きでしょうがない。生まれは名古屋だけど婿養子としてやってきた茨城にどっぷり浸かっている。
だから、お店を利用して茨城をどんどんPRする。
商売っ気抜きで、どんどんPRする。
そして、羽富社長のスゴイところは「茨城が好きな社長である」ということである。
単に「茨城が好き」に、さらに「社長」が付加されている。社長だから当然、お店にはお客さんがたくさん来てほしい。新聞やTVや雑誌にもどんどん取材に来てほしい・・・・。
実際に、来るのだ。やって来るんです。
お客さんも新聞社やTV局や雑誌社が。
以下、大きな声では言えないけど、羽富社長から聞いたとっておきの話。
行政組織によってはその建物の中に県内のマスコミ関係者の詰所がある。
その詰所には記事を投函するポストがある。
そのポストには県内で実施される工事、祭事、記念式典、イベント情報等が投函される。県内の新聞社やTV局や雑誌社はその投函された記事の中から「ネタ」を拾っていく。
茨城大好きの羽富社長は自分で書いた記事をこのポストに投函する。
どんな記事か?
もちろん、私は茨城が大好きだ。そして愛している。店内に茨城スペースを設置するほど愛している・・・という記事。
当たり前のことだけど茨城県内の新聞社やTV局や雑誌社は茨城が好きだし、茨城のネタを求めている。だからお店に取材に来るのだ。
分かります?
羽富社長はほとんどコストをかけずに、広告費もかけずに行政、地域の人、マスコミに喜ばれて、媒体で紹介されて、お客さんがどんどんやってくる三方どころか「四方」も「五方」も喜ぶ絵図を描いて、実行している
言われてみると
「なるほど。」
だけど、自分ではなかなかこういう絵図を描けない。
羽富社長ってスゴイ!!
PS.
弱者必勝の経営戦略
http://www.middleage.jp/lanchest/
(今日の商売とビジネスに役立つ格言)
『利他の心が大事なのだ、相手を思いやる心がたいへん大事なのだ。その心を抜きにして経営はできないし、利益をあげることもできない。』
(稲盛和夫)